内視鏡検査とは
内視鏡技術、器具の性能の向上にともない、これまでは発見の難しかった早期のがんや開腹手術しか方法のなかった大きさのがんも内視鏡での発見、治療ができるようになってきています。
それでもなお、胃がん・大腸がんといった消化器系腫瘍は日本人の死亡原因の上位を占めています。
そのような重大な病気も早期に発見すれば治癒できる可能性が高いため、いかに早期発見・早期治療を行うかが非常に重要です。
内視鏡検査はつらい、怖いといったイメージを持っている方が多いと思いますが、安全性を確保した上で、できるだけ気楽に検査を受けていただけるよう心がけております。
内視鏡室の特徴
内視鏡室では、NBIなどの特殊光検査に対応した最新の機器を備えた検査機が上部消化管4機(経口2本、経鼻2本)、下部消化管2本を有し、内視鏡精密検査や緊急内視鏡検査・処置をはじめEMRなどの内視鏡手術にも対応できる装備も備え、鎮静剤使用後充分な検査・処置後休憩観察の時間をとることができるようになっております。 また、プライバシーの保てる診察室で検査結果の説明や今後の方針を相談できるようにもなっております。
また、機器管理の面から臨床工学室と連携し、病院で使用される光学機器(スコープその他)の洗浄、管理も担っております。 検査・処置の主体となるスコープは以下のごとく充実した機種を備えており、様々な内視鏡診断、内視鏡処置が提供できるようになっております。
また、内視鏡検査・治療目的のX線透視室も付設されており、処置をはじめとする透視を用いた検査・治療も充分な設備のもとに受けていただけるようになっています。
内視鏡検査への取り組み
近年内視鏡治療を専門とする病院では多くの症例で超短時間作用性の鎮痛剤を使用して内視鏡検査を行っております。これにより、えずきが強い方や検査に対する恐怖心が強い方、腹部の手術後で大腸内視鏡の際に痛みを感じやすい方も楽に検査を受けることが出来ます。
当院でも麻酔を使用しての内視鏡検査を行っており、多くの患者さんにご満足いただいております。麻酔をご希望の際は遠慮なく外来の担当医にその旨をお伝えください。
大腸ポリープの切除も最近は治療機器の性能向上により日帰り入院で治療できるようになっております。もちろんポリープのサイズによっては1泊2日の入院を要する場合もありますが、お仕事等でお忙しい場合もなるべく日数的な負担がないように配慮いたします。それ以外にも大腸内視鏡の下剤をご自宅で服用されるのが心配な場合は入院して病院で服用するのも可能です。
内視鏡検査に関してご質問等あれば遠慮なく担当医までお伝えください。患者さんに応じた検査・治療を提供できるように担当医・スタッフ共々ご相談させていただきます。
上部消化管内視鏡検査
腹痛、貧血などの原因を調べるため、食道・胃・十二指腸に発生した潰瘍、炎症、腫瘍、ポリープなどを診断するために行います。 その際組織検査(顕微鏡で細胞を確認する)のため病変の一部を摘み取ってくることがあります(生検といいます)。
経鼻内視鏡も選択できます
従来の胃カメラ(10mmほど)に比べ、5mm程度とかなり細い内視鏡を使用し、鼻から挿入することができます。喉の奥の吐き気を感じる場所を刺激しないため、検査中にオェッとなることが少なくなります。また、喉の違和感も少なく済みます。画質はやや劣るため、病気によっては通常の胃カメラをおすすめする場合もあります。緊急時や治療目的の検査の場合、検査時に血の止まりにくい薬を飲んでいる場合などは適応になりません。
また鼻の手術を受けたことがある、鼻の病気で治療中の場合、よく鼻出血を起こす場合等は適応とならないことがあります。
大腸内視鏡検査
大腸(結腸と直腸)を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、これらの部位に発生したポリープや癌、炎症などを診断します。 組織の一部をとって調べたり(生検)、病変を内視鏡的に切除することもできます。
二酸化炭素の送気装置
通常の内視鏡検査では内視鏡の先端から空気を送気して大腸をふくらませて観察します。
そのため、検査後にお腹がはったり気持ち悪くなったりすることがあります。
当院では空気の代わりに二酸化酸素を送気する器具を常備しております。
二酸化炭素は水や体内に吸収されやすいため、検査後のお腹のはりや苦しさを軽減できます。
上部消化管・大腸内視鏡検査ともに鎮痛剤・鎮静剤を使用することもできます
希望される方に対しては、点滴を行いながら鎮痛剤や鎮静剤の注射をして、意識はあっても少しぼーっとした状態(浅い鎮静)で検査を行います。
なお、検査後はしばらくお休み頂く場合があります。
内視鏡診断・治療
内視鏡技術と機器の進歩はまさに日進月歩、発見が困難であった小さな病変や、大きな手術が必要であったがんなどの病気も内視鏡検査で発見・治療ができるようになっています。
当院でも様々な内視鏡器具・設備を整え、経験豊富な医師による巧みな技術で適切かつ迅速な診断・治療を行う体制をつくり上げています。
施設認定
当院は、日本消化器病学会関連施設 及び 日本消化管学会胃腸科指導施設として認定されています。
内視鏡器具
当院では2019年10月から内視鏡設備が一新され、従来のオリンパス社製260シリーズから290シリーズへと更新されました。290シリーズは大学病院等の大規模な病院で主力機として使用されており、現在最上位の機種として知られております。
内視鏡診断・治療では鮮明な画像が得られることが特に重要になります。 当院では、大腸や食道がんの早期発見をより確実なものとするため、「NBI内視鏡システム」を導入しています。
従来機と比較してみると何より圧倒的な画質の向上があり、早期の癌等の病変を発見しやすくなっております。他にも胃カメラ自体が細くなっているため喉元を越える際の違和感もかなり改善しておりますし、大腸内視鏡も以前より痛みが少なく検査ができるようになっております。
※ NBIとは、光源(照明装置)の先端に、青い光だけを通すフィルターをとりつけ、患部に波長の短い青い光があたるようにして観察するものです。
内視鏡治療
内視鏡器具と技術の進歩により、従来内視鏡では治療が難しかった病気も治せるようになってきています。
当院でも経験豊富な医師により、様々な疾患治療に取り組んでいます。ぜひ一度ご相談ください。
当院で行っている主な内視鏡治療
(ポリペクトミー、内視鏡粘膜切除術)
内視鏡検査の受け方
通常は検査日の予約が必要です。担当医とご相談の上、検査日をお決めください。
また、検査当日は内視鏡検査の種類によって異なった前処置(絶食や下剤服用など)が必要ですので、お間違えのないように指示をご確認ください。
検査当日は、胃腸の動きを止める薬や麻酔薬などいろいろな薬を使う可能性があります。
検査の安全性を高めるため、検査前には以下のような項目について質問されるかと思います。
また各項目に心あたりがありましたら積極的にお申し出ください。
服用している薬の中止方法や、検査当日の服用方法については担当医から指示を受けて下さい。
検査後2時間くらいは車の運転は危険ですので避けて下さい。
緊急検査の場合
吐血や下血など消化管からの出血が疑われる場合など病状によっては緊急に内視鏡検査を行う必要があります。
この場合はすぐに検査をしないと生命に危険が生じると判断されるときであり、予約の必要はありません。
検査後入院が必要になる場合があります。
平日お忙しい患者さまへ
土曜日(午前診)の「内視鏡検査」をおすすめします
当院では、平日及び土曜日の午前診に、日本消化器内視鏡学会指導医/専門医を中心とした医師2名体制で胃カメラ・大腸カメラの検査を原則予約制で行っております。
特に土曜日の午前診は、平日働いておられる患者さまの希望が多く、お早目の予約をおすすめ致します。
尚、検査を行うには、一度外来を受診していただく必要があります。
また検査当日は、検査の種類によって検査前の前処置(絶食や浣腸など)が必要となりますので、来院時間などお間違いのないように主治医の指示をご確認ください。
受付時間/担当医表
受付時間
内視鏡検査 胃(検査)/内視鏡検査 大腸(検査)
午前 | 検査 | 9:00 ~ 12:00 |
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担当医表
午前診 9時~12時 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
内視鏡外来 | 胃(検査) | 小山 | 中尾 | 中村 | 中尾 | 藤平 | 中村 | |
大腸(検査) | - | 中尾 | 中村 | 中尾 | 藤平 16:00まで |
中村 |
専門医/認定医など
日本消化器内視鏡学会 指導医/専門医 |
院 長 石井 洋光 副院長 中尾 宏司 診療部長 中村 光宏 |
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